特異性質「自分に酔う」
彼は自分に酔う。

自分に酔うとはいったいどういうことなのか、
私のような標準的な人類にはなんとも想像し難い。

まあどういうことなのかはちょっと脇にでもおいといて、
自分に酔うとどのような状態になるかについてを話題にしよう。

このことについては、直接彼とコンタクトをとって確認してある。

彼が言うには「アルコールに酔っているのと同じ」ということである。

さらに彼が自ら語るには、彼はいつも「ほろ酔い」の状態であるという。

なるほど、彼のいつもの不可解きわまりない言動は、
この「ほろ酔い」の状態が生み出しているのかもしれない。

これらの関連性についてはまだはっきりしていないので、
今後、更なる研究を進めたい。

この「自分に酔う」ということについて、ひとつ気になることがある。
自分に酔っている状態で車を運転するのは酔っぱらい運転だと思うのだが、
それは許される行為なのだろうか。

確かに酒気帯び運転ではない。帯びているのは狂気である。
酒気より狂気の方がより危険なかほりがするのは、私だけではあるまい。

いずれにしても、自分に酔っているときは、
周りの人の迷惑と危険に鑑みて、
彼には自主的に運転を控えてもらいたい。

と言うよりは、いつもほろ酔いなので免許を取り上げるべきだ。
優秀といわれる日本の警察の良心に期待する。




※ 初出:1999発行「わくわく水口ランド 最終回」;その後改変(後半を少々);最終更新 2003.04.27


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